即戦力の磨き方

数年ぶりに再読。

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

2006年の大前研一さんの著書。今読んでもドキッとするワードがたくさん。
3種の神器は未だ身につけられず…トホホホ

●即戦力に必要な3種の神器
1.語学力=英語
2.財務力
3.問題解決力
(大前提としてITを駆使できること)

●問題解決力
・問題がどこにあるのか、何が問題なのか、を自分で見つけ出すこと
・次に、なぜ、その問題が発生するのかという原因に言及し、何をどうすればその原因を排除できるかという仮説を立てる
・「なぜ」という問いかけに対し、「もしかしたらこうなるのではないか」という仮説を設定できるか
・仮説を立てたら、その仮説の検証。うまくいかないと分かったら新たに仮説を立てなおす。その繰り返し。
・仮説にすぎないことを、結論だと思い込まない

●勉強とは
・徹底して自らの足で情報を集め、自分の頭で考えること。現場主義
・文献を読んで分かった気になるのとは違う
・teachからlearn。答えを教えるより、答えを自ら考える
・新大陸の荒野で生き抜くには、答えのない問いを考えられる回路を頭の中につくる
・自分よりレベルの高い他流試合、社外セミナー、勉強会に参加する。思い切り恥をかく・ファイティングポーズをとり続ける

●会議とは
・始まる前に結論が決まっているのは会議ではない
・会議とは、論と論を闘わせて問題の核心を徹底的に追及する知的格闘場
・事実の裏付けに基づいた発言が求められる
・ディスカッションとは、相手を打ち負かすためのものではなく、組織の直面している問題の解決策を見つけるのが目的
・相手から有用な情報を巧みに引き出す「質問力」、
・相手の主張のよりどころとなるデータや事実の誤り、不足を見破る「聞く力」、
・確かな根拠とその組み合わせから新しい視点を提供できる「説く力」、
・それらをすべて兼ね備え、生産性の高い解を導き出せて、初めてディスカッションする力があるといえる

●今後の5年間に備える
・今後5年間に自社が直面しそうな問題を予測し、その対策を考えておく
・同時に即戦力に必要な3種の神器、ディスカッション力を鍛えておく
・戦闘能力を磨いておく
・40歳を過ぎたら、次の人生で何をやるかを決める
・そこから逆算してキャリアプランを立て準備(勉強)を始める
・いまの会社から学べることは、すべて学ぶ
・勉強する時間が足りないなら、ムダな時間を削ること
・自分の成長につながらいことは、即刻やめる
・ムダに膨らんだ自分の時間をシェイプアップする。ムダなことはやらない、考えない
・勉強とは、自分の人生を今よりもっと幸せにするためにするもの
・自分の人生に不満を感じている人は、幸せになるための勉強が足りない
・先が見えないからこそ、長期的な目標を持って、自分の人生を設計すること

プロフェッショナル原論

読みました。

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)

波頭亮さんの著書。「プロフェッショナルとは」について書かれた一冊、シビれます。自分が思い描いていたプロフェッショナル像は、かなり甘かったです。"Client Interest First" "Output Oriented" "Quality Conscious" "Value Base" "Sense of Ownership" この4つのキーワードは常に自分に問い続けたいですね。

●プロフェッショナルとは
・プロフェッショナルと一般サラリーマンとの大きな違いは、身につけている知識や技術レベルの高さよりも、厳しさに耐えて仕事を完遂する精神力の高さにある
・プロフェッショナルとは、高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項をかなえるインディペンデントな職業

●プロフェッショナル 3つの要件
1. 高度な職能の保有
2. 特定のクライアントの問題解決
3. インディペンデントな立場

●プロフェッショナルの魅力
1. 自らの意志で仕事を選べる自由
2. 組織に属さなくとも仕事ができる安心
3. 自尊の念
4. 社会からの敬意

●プロフェッショナルとしての規範と価値基準
1. Client Interest First 顧客利益第一
・クライアントの利益に貢献すること自体が目的

2. Output Oriented 成果指向
・必ず結果を出す
・問題解決指向
・結果だけで評価

3. Quality Conscious 品質追求
・本気で最高を目指す
・より品質の高いアウトプットを目指す
・考え得る最高の水準、世界一の水準

4. Value Base 価値主義
・バリューを追求するために、コストは問わない
・バリューとは、顧客の利益を実現するためのアウトプットの有効性、質の高さ
・コストとは、手間と費用
・反対にサラリーマンは、コストベースが仕事の基本スタンス
・どんな仕事に時間を使うか、どんなコストを削るか

5. Sense of Ownership 全権意識
・自分の仕事に関しては全て権限を持ち、全ての責任を負っている
・実質的には、他人に頼らず、一人で悩み、自らの判断と自らの能力を信じて成果を出す

●プロフェッショナルのルール
1. 営業のルール
・自ら営業はしない
・依頼された内容に対して、自分がクライアントを十分満足させられる成果を出せると確信が持てる場合のみ、案件を引き受ける

2. 報酬のルール
・Per Diem パーディアム方式(日当)
・プロフェッショナルの命、自分の技量と格付を示すもの
・当人が一日働くことによって生み出すことができる価値
・一切、値引きはしない
・依頼を受けた案件が、締切を超過した場合、追加フィーは請求しない。自己責任
・成功報酬の禁止
・成功報酬型のフィー契約は、商業主義的かつ、無責任な報酬方式

●プロフェッショナルの4つの行動特性
1. ProActive 超行動的
2. Challenging 意欲的
3. Independent 個人主義
4. Logical 論理的

●今日の一枚

エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第3回目

山崎和彦先生とロフトワークスさん主催の「エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ(全3回)」の第3回目です。
前回、前々回はこちら。

エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第1回目
http://d.hatena.ne.jp/kahusu/20130212

エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第2回目
http://d.hatena.ne.jp/kahusu/20130226

●前回からの復習、ストーリーボードからのアイデア出し

  • ストーリーボードの中から、提案の「キー」となるプロダクトやサービス、システムは何かを考え、視覚化する
  • 「キー」となるものをポストイットに書き出し、ストーリーボードに貼りつける

●ペーパープロトタイピング 

  • ストーリーボードの各シーン(起承転結)ごとに、ユーザーにとって見えるもの、触れるものをつくる、視覚化する
  • メンバーみんなで手を動かして、どんどん視覚化することが大事
  • A4用紙に描き出す、立体物を作る
  • ラフにつくる、大きめ(原寸)のサイズでつくる、それはどのような形、大きさをしているのか

●ウォークスルー

  • ストーリーボードにそって、作ったペーパープロトタイプを並べる
  • 自分たちが考えたアイデアがうまくきそうかどうかを一通りレビューしてみる
  • どのアイデアを立体化するかを考える

●立体化、データ制作

  • キーとなるアイテムを1つ、立体化する
  • イラストレーターでデータを作る
  • クラフトロボで出力、立体化する

立体化については、残念ながら時間が足りず、完成には至りませんでした

●ビジネスモデルを考える、ビジネスモデルキャンパス

  • 模造紙にビジネスモデルキャンバスのフレームを描く
  • 対象となるユーザーは誰か
  • その人たちへの大事な提供価値は何か
  • 各欄を埋めていく

●発表する

  • アクティングアウト手法を使って発表する
  • ストーリーボードの内容を人間とペーパープロトタイプを使って演じる
  • ストーリーボードにそって、作ったペーパープロトタイプと立体プロトタイプを使って、どのようなサービスであるか、対象ユーザーやステークホルダーにとっての提供価値がどのようなものであるかを発表する

(アクティングアウトのコツ)

  • 配役を決めるとスムーズにすすめられる。また何をしゃべるのかを決める
  • 全体の司会、ナレーター役
  • ユーザー役
  • システム役(Webサイト、サービス、システム)

●第3回目まとめ

  • 最後の評価のステップが時間切れのため、できませんでした
  • バリューシナリオを作るのが難しい
  • 講師からいただいたアドバイスとしては、まずはアクティビティシナリオから入り、そこからバリューに持ち上げていく方が素直かもしれない、とのこと
  • うれしい体験、アクティビティを考え、バリューを導き出していく。普段から意識したいと思います

●全体を通しての感想

  • 全3回を通して、同じメンバーが出席できないのが残念。毎回、班のメンバーが変わってしまう。結局、我が班(6名)で全3回通しで出席できたのは2名のみ
  • 時間については、足りないくらいの方が、緊張感を持って濃い時間を過ごせるのではないでしょうか
  • また仮に十分な時間があったとしても、得られる成果にそれほど差はないのでは
  • インタビューやアイデア出し、アイデア収束のフェーズについては、ファシリテーターの力量によるところが大きかった
  • エクスペリエンス・ビジョンについては、このように体験してみないと深く分からない事が多く、今回はその貴重な機会となりました。山崎先生、ロフトワークのみなさま、ありがとうございました

●参考情報
下記のセミナーでは、より深く学ぶことでできそうです

HCD-Net | 予告:2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論(全6回」
http://www.hcdnet.org/event/2013hcd-net6_1.php

将たる所以

読みました。

将たる所以―リーダーたる男の条件 (カッパハード)

将たる所以―リーダーたる男の条件 (カッパハード)

もう20年前の梅原猛さんの著書。おそらく梅原さんがこの手の本を書くのは珍しいのでは。
コンパクトな本ですが、その分、本質がストレートに伝わってきます。

●リーダーの10の条件
1. リーダーは、明確な意志を持たなければならない
2. リーダーには、時代の理念が乗り移らなければならない
3. リーダーは、孤独に耐えなければならない
4. リーダーは、人間を知り、人間を愛さなければならない
5. リーダーは、神になってはいけない
6. リーダーは、怨霊をつくってはいけない
7. リーダーは、修羅場に強く危機を予感しなければならない
8. リーダーは、意志を自分の表現で伝えなければならない
9. リーダーは、自利利他の精神を持たなければならない
10. リーダーは、退き際を潔くしなければならない

問題解決の実学

読みました。

問題解決の実学

問題解決の実学

斉藤顕一さんの2006年の著書。大阪弁の文体が非常に気になって、読みづらいです(苦笑)。
本文は、問題解決のアプローチについて、順序立てて分かりやすく書かれており、非常に参考になる一冊です。
特にチャート化についての解説、チャート化の重要性は得るものが大きかったです。

●問題解決のアプローチ
1. 本質的問題の発見
2. 問題解決方法の見極め、インパクトのある解決法を考える
3. 成果の実現、仲間をつくるために説得する

●本質的問題の発見
・本質的問題の発見には、仮説思考が必要
・データだけを眺めていても、何が起こっているかを正しく理解することはできない
・形にすること(チャート化、棒グラフ、折れ線グラフ)
・関連性のあるチャートを共通項でグルーピングする、フレームワークで分類する

●問題解決の原理原則
・よい情報があれば、よい分析ができる
・正しい質問をしなければ、正しい答えは得られない

●仮説思考を習得する
・人は思い込みの動物。思い込みを排除して客観的に考えることが必要
・仮説とは、頭の中で思いつくものではない。限られた情報やデータを理解し、組み立てるもの
・客観的に考えるとは、論理的に考えること
・当事者の話を聞いたり、事実を分析したり、分析結果から類推したりすること

●仮説の作り方
1. インタビューであたりをつける
2. 身近な情報を収集してチャートを書く
3. 帰納的にまとめあげる

●3つのCの情報を収集する
・3Cを理解し、必要な情報を選別する
・「流れで市場を見る」成長市場か、衰退市場か
・市場を見るとは、売上チャンスを発見すること、将来顧客の発見
・戦略的顧客セグメンテーションは、顧客の行動をじっくりと観察することによってしか分からない

●データをチャート化して考える
・数字をチャート化して、そこから考えることの意味を理解する
・類推することに慣れる
・チャート作成の基本ルールを理解する

●分析とは
・数字をチャートに置き換え、なぜこうなるのか?と疑問を持つことから始まる
・疑問の解を見つけようとして関連情報をチャート化し、そしてまた考える

●チャートを書くルール
・1つのチャートには関連性のあるグラフ1点を入れ、一つのメッセージで表現する
・タイトル、単位、時間軸などの必須項目をおさえる
・チャートの項目数を絞り、網掛け、時間軸を工夫する

フレームワークで問題点を明確にする
フレームワークとは、情報を整理するための考える軸、論理的に考えられたもの
・たくさんある既存のフレームワークに慣れる
・情報を整理するフレームワークを状況に合わせて、考え出す力をつける

●解決の方向性を決める
・会社の状況次第で、解決の方向性は大きく異なることを知る
・本質的問題を発見すれば、その裏返しの取組でも成果は出る

インパクトのある取組とは
・取組を提案して実行した結果、大きな変化を促して成果をあげること

●解決策を具体化する
・顧客を知ることの重要性と顧客セグメントを発見する方法を理解する
バリューチェーンをどのように強化すればいいかを考える
事業ドメインを広げて売上を上げる方法を知る

●成果を上げる仕組みと仕掛けをつくる
・優れた企業変革の施策であっても、阻害要因を排除しない限り、絶対に改革は成就しない
・最大の阻害要因は、人。総論賛成、各論反対
・自分のテリトリーである拠点は自分の権限が及ぶ範囲であり、それを排除する提案は許せない
・会社全体のことよりも、自分のテリトリーを守るほうが重要

●今日の一枚

戦略サファリ

読みました。

戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック (Best solution)

戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック (Best solution)

斎藤嘉則さんの監訳の本。翻訳本なので、決して読みやすい本とは言えませんが、それこそ動物園の動物のように、戦略マネジメントという獣、さまざまな動物=戦略フレームワークたちが登場します。「戦略」を「サファリ」に例えるなんて、面白いアイデアです。

●戦略形成の10の考え方
(理想的な戦略的行動)
1. 「デザイン」 コンセプト構想
2. 「プランニング」 形式化
3. 「ポジショニング」 分析
(実務的な戦略的行動)
4. 「アントレプレナー」 ビジョン創造
5. 「コグニティブ」 認知プロセス
6. 「ラーニング」 創発的学習
7. 「パワー」 交渉
8. 「カルチャー」 集合的
9. 「エンバイロメント」 環境への反応
(すべてを包括、統合する)
10. 「コンフィギュレーション」 変革

●戦略の5つのP
・Plan
・Pattern
・Position 
・Perspective 視座
・Ploy 策略

●戦略計画 7つの大罪
1. スタッフがプロセスの主導権を失った
2. プロセスがスタッフを支配した
3. プランニングのシステムは結果を生み出さないデザインになった
4. プランニングは中核事業の発展を犠牲にし、合併、買収、撤退劇に目を奪われた
5. プランニングプロセスは真の戦略的な選択肢を生まなかった
6. プランニングは戦略が満たすべき組織的、文化的な要件を軽視した
7. リストラクチャリングと不確実性の時代に、単一的予測をプランニングの根拠とするのは不適切

●組織における政治ゲーム
・造反
・対造反
・スポンサーシップ
・アライアンス締結
・帝国建設
・予算獲得
・専門知識
・支配者
・ラインvsスタッフ
・ライバル陣営間
・戦略的候補者
・密告
・急進改革派

●組織構造
・起業家的組織
・機械的組織
・専門的組織
・多角的組織
・革新的組織
・伝道的的組織
・政治的組織

●今日の一枚

竹中流「世界人」のススメ

読みました。

竹中平蔵さんの著書。新書なのでサラリと読めてしまいます。
どこもかしこも「グローバル」「グローバル化」「グローバル人材」「グローバルリーダーシップ」の合言葉。
ただ、その中身、意味するところは人によってマチマチだったり…
自分の中では、しっかりと理解しておきたいものです。

●日本人が世界に飛び出すための3つの条件
1.「マインド」 世界と戦う覚悟を持つ
2.「世界を知る」 世界各国を見る視点
3.「世界で戦うための力を身につける」 英語、リーダーシップ、コミュニケーション

グローバル化の本質とは
・熾烈な競争である
・現状を維持しているだけでは必ず沈んでいく
・去年と同じことをやっていたら生活水準が下がる、フラット化する
・今日から明日にかけて、より賢くなっていかなければならない
・フラット化する世界とスパイキー化する(尖った)世界
・競争力を高めるには、競争をするしかない
・今後の日本人が重視しべき最大のテーマは、イノベーションと英語

●経済統合の4段階
1.自由貿易
2.関税同盟
3.共通市場
4.完全な市場統合、共通通貨

●英語を学ぶ
・言葉にはすべての意味がある。言葉を覚えるとは、その意味を理解すること。
・そこには、不断の努力が必要