虎屋ブランド物語

読みました。

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川島蓉子さんの最新刊。
創業500年になろうかという、虎屋ブランドの大ファンになってしまったという著者、その意気込みもハンパないです。
私も一度、虎屋ツアーを組んで行かなくてはと思いました。

●トラヤカフェ(六本木ヒルズ
 必ず食すもの:あずきとカカオのフォンダン
 必ず買うもの:あんペースト
 必ず見るもの:パッケージ

●トラヤカフェ(表参道ヒルズ
 物販により力を入れている

●とらや東京ミッドタウン
 必ず食すもの:出てくる食器に注目
 必ず見るもの:ギャラリーショップ(オリジナルの豆皿、懐紙、風呂敷)
          ギャラリーイベント
 
●とらや工房(御殿場)
 必ず食すもの:できたてのお菓子
 必ず見るもの:その素晴らしい自然の風情

●虎屋文庫(赤坂)

●虎屋ギャラリー(赤坂本社ビル2F)

空気が動いていない店には足が向かない。
短期的な視点では、惹かれるか惹かれないか。入りづらい店のパターン
静止画のように止まって見える売り場からは、何の発進力も感じない。たとえお客がいなkてっも、店の空気を動かしていくこと。
長期的な視点では、いつ行っても同じ見え方ではなく、変化が感じられる店になっているかどうか。

ブランドは一見すると変わっていないように見えて、少しづつ変わっているくらいがちょうどいい。

本質をとらえることができるクリエーターの重要性と、デザインは経営資源のひとつであることに、世の経営者はもっと自覚的になっていい。

ものが作られていく工程を目にする機会がめっきり少なくなった。
いつの間にか”ものが作られていくリアリティ”のようなものは、生活から遠ざかってしまった。
しかしだからこそ、”ものが作られていくリアリティ”を”売り”の手段として使うこともできるし、実際にそうしているケースも出てきているのだろう。

経営理念は誰もが口ずさめること
配付されたブランドブックを社員はざっと目をとおしただけで、内容を理解していないし、浸透もしていない。
読んでも頭では理解できるが身体に馴染まない。だから身についていない。
つまり、自分が所属している企業が何を標榜しているのか、自分の仕事はどこに向かってなすべきものなのか、それを自覚せずに働いている人が圧倒的に多い。
こうした手法が間違っていると言っているわけではない。配付することによって理解されていると安心してしまう、というリスクを負っていることを忘れてはならない。
「自分の言葉で伝え続ける」姿勢こそが重要。

これからの時代は、店頭基点ではなく消費者基点に立って、お客さまは満足して買っているのか、どんなふうに使っているのか、どんな点から選んでくれなかったのか、そおのあたりまで掘り下げた意識を持つこと、それを商品開発や売り場開発に活かしていくこと。

これからの企業にとって、正統派であることがひとつの必要条件になってくる
出自が明確で魅力を備えている、まっすぐ筋が通った志がある、偽りがないピュアな存在である、揺らぎがない核心をもっている

社員の目は、もっと外に向いて開くこと
日々の仕事、自分の仕事を突き詰めていけばいくほど、視線の及ぶ範囲が限られてくる。全体を俯瞰した上での自由な発想や柔らかい考え方ができにくくなってくる