成功は洗濯機の中に

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成功は洗濯機の中に―P&Gトヨタより強い会社が日本の消費者に学んだこと

成功は洗濯機の中に―P&Gトヨタより強い会社が日本の消費者に学んだこと

個人的な今年のテーマは、イノベーション
仕事において、ぜひイノベーションをおこしたい。
昨年、ある先生に教えていただいたことに、アップルを真似るのではなく、P&Gに学べと。
その秘密を知りたく手にした一冊です。
P&Gの企業理念は「消費者がボス」。
顧客を知るということで、HCDに通じるものがありますが、まさにその概念の上を行くような考え方です。
これからは店頭でP&G製品を意識してウォッチしていきたいと思います。

●マーケティング
・「正解のない世界で、消費者の愛顧を求めて、競合会社と優劣を競う」
・商品に対する差別化への働きかけではない、消費者マインドに対する働きかけ。
・マーケティングとは、ものを売ることではなく、消費者の心を魅了する競争。

P&G イノベーションの価値
・消費者から見て「新しい」「興味深い」「買いたい、使いたい」と思ってもらえること。

P&Gコアコンピタンス
・メガブランド構築力
1.消費者理解
2.ブランドイメージの定義
3.成功事例のテスト
4.ベスト案を素早く世界拡大
5.さらなる改善に向けて試行を続ける

●ブランドマネージャーの仕事、プロセス
1.消費者の心をつかむために、まず消費者を深く理解する。
2.その便益を提供できる商品を開発する。
3.その便益を魅力的に伝えて、消費者の記憶に焼き付く広告表現を考案する。
4.店頭で注目される商品パッケージを考える。
5.パッケージデザインを開発する。
6.消費者の購入意欲を読んで、なおかつ、利益が上げられる価格を考える。
7.小売店チェーン・得意先の関心を呼び、取り扱ってもらえる店頭促進策を考える。
8.新発売後に、販売結果の測定を行う。

●消費者がボス
・自分が確信を持てる市場調査を行うため、絶えず小売店や家庭を訪問する。
・最初から消費者を理解しようなどと考えずに、相手をありのままに受け入れることから入ること。
・マーケティングメッセージは、消費者の感覚や価値観に合っていなければ絶対に受け入れてもらえない。
・消費者の信頼を得るための第一歩は、消費者の心の中の不信や不安、憧憬や欲求の微妙なバランスを読み取り、何を本当に追い求めているのか、共感を持って理解しあう必要がある。
・調査は、その結果を実際に活用するブランドマネージャー自身が主体的に進めること。
・調査に当たっては、必ず調査して確かめるべき具体的アイデアをいくつか持っていること。
・消費者との対話には、抽象的なコンセプト提示ではなく、完成度の高い試作品を提示すること。

●2回訪れる「決着の瞬間」
・第一の決着の瞬間「ブランドを店頭で購入してもらう瞬間」
・第二の決着の瞬間「ブランドを家庭内で実際に使ってもらう瞬間」

グローバル化(成功する条件)
1.消費者がボスという基本理念を徹底する
2.スケールメリットを最大限に生かす
3.重点分野を選びそこにフォーカスして競争上の優位性を持つ
4.ブランドの育成、ブランド力の構築

新興国向け製品開発
・低価格、低マーケティング予算、低所得の消費者などではない、自覚する。