自動車の社会的費用
読みました。
- 作者: 宇沢弘文
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1974/06/20
- メディア: 新書
- 購入: 11人 クリック: 145回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
自動車に乗る身として、子どもを持つ親として、海外での交通事情を見たものとして、確かに日本の自動車を取り巻く環境は、人にとってひどいものだと思いました。1974年の本ですが、現在の方がさらに環境が悪化して、痛ましい事故がたくさん起こっているわけで、なんとも悲しい現実です。
・日本における自動車通行のあり方が、世界のどの国に比べても、歩行者にとって危険なものになっている。
・当たり前のことのように思われているかもしれないが、まさに異常な現象である。
・日本ほど歩行者の権利が侵害されている国は、文明国といわれる国々にまず見あたらない。
・日本では、人々の市民的権利を侵害するようなかたちで自動車通行が社会的に認められ、許されている。
・日本ではもはや、たえず自動車に注意し、おどおどとした態度で道を歩かざるをえない。
・日本における交通事故による子どもたちの死傷は、世界のどの国に比べてみても、比較的できないほど大きい。
・日本の都市は安全ではあるが、歩行者が直面する自動車による危険性は比較できないほど大きい。
直接的な被害だけでなく、排気ガス、騒音による公害の悪影響のもとで生活しなればならない。
・自動車通行にともなって発生する社会的害毒をどのように考えるか。
・歩行者の基本的な権利を侵害し、ときには生命を奪い、健康を損なうことを知りながら、自動車を運転することは、ピストルを自由に使うのと同じような意味で犯罪的な行為である。