「思わず買ってしまう」心のスイッチを見つけるための インサイト実践トレーニング

読みました。
インサイト」が著者の桶谷さんの基本的な考えを記したもので、「インサイト実践トレーニング」がその訓練の方法を記した内容でしょうか。両方読んだほうが、よく分かるかも知れませんが、「インサイト」だけでもいいかもしれません。
インサイトと言い方が違いますが、デザイン思考やHCD、エスノグラフィと同じようなものでしょうか。
ちょうど最近、著者の桶谷さんが講師をつとめるセミナーとワークショップがあるとのことだったので、参加してきました。内容は、残念ながら物足りない感じでした。

インサイトとは
インサイトとは、一言でいえば、消費者の「本音」。
 それは、消費者に購買行動を起こさせる「心のホットボタン」。
インサイトの考え方は、細分化されすぎた消費者を大きくとらえ直すもの。
・平均値を出すのではなく、もっと本質的な共通点を見つけ出すもの。

●理屈が直感を鈍らせる
・どうしてビジネスになると直感が働かなくなるのか。
・ビジネスは客観的であらねばならない、という神話。
・つい企業側からの発想で消費者を見てしまうこと。
 メーカーならモノが起点になりがち。

●消費者の本音はどこにあるか。
・氷山の海面から上に浮かんでいるのが行動や態度などの見える部分。
・なぜそういう行動を取るのかという見えない本音が海面下の部分。

●なぜ、インサイトなのか
・今の消費者は機能だけでは選んでくれない。
・消費者は「好き、しっくりくる」といった気持ちや感情で商品を選ぶ。
・その感情は「この商品は私の気持ちをよく分かっている」という共感から生まれる。
・共感は「モノ」と消費者の「気持ち」が結びつくところから生まれる。

●2種類のインサイト
・ヒューマンインサイト
 すべての人、ある世代の人が共通して持っている関心、気持ち、感情のホットボタン。
・カテゴリーインサイト
 消費者が、その商品カテゴリーに抱いている感情や気持ち、潜在ニーズなど。
 あるブランドの購入する動機になっている深層心理、阻害する心理的バリアなど。

●キーインサイト
・キーインサイトとは、マーケティングで「最も使えるインサイト」のこと。
1.その気持ちを突かれると思わずその商品を欲しくなる、選んでしまうような、ホットボタンかどうか。
2.新しい発見か。
3.自分の担当しているブランドの間に整合性があるか。
4.実現可能か、アクション(活動)につながるかどうか。
5.そのインサイトから発想が広がるくらい刺激的かどうか。

●プロポジション
・心のホットボタンを押すのがプロポジション。
 消費者を口説くもの。ブランドや製品からの提案。解決策。
・企業側からの戦略的な提案、主張。