日本「半導体」敗戦
読みました。
- 作者: 湯之上隆
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「日本製」というと私にはいいイメージしかないのですが、グローバルな視点から見るとコストを意識していないとんでもない商品ということがよく分かりました。コスト意識、コスト意識…。
組織が人が無能になっていく過程を示したピーターの法則が面白すぎました。
●イノベーションとは何か?
・技術革新ではない。
・高性能、高品質ではない。
・発明と市場の新結合がイノベーション。
・市場で爆発的に売れたものや技術がイノベーション。
●低収益な日本半導体メーカー
・日本半導体メーカーには過剰技術で過剰品質を作る病気がある。
・儲かる工程フローになっていない。
・インテルでは、最終製品から逆算して、利益が出るように、工程フローを組む。
・日本半導体メーカーには、部門間に士農工商がある。
研究部→開発部→量産部→
・儲けるプロセスを実現できる組織体制になっていない。
・インテルでは、ボーナスは最終製品の利益で決まる。
●サムスン電子の強み
・マーケティングに力を入れている。
・戦略マーケティング部門に800人、うち専任のマーケッターが230人もいる。
・2種類しか品種がないにも関わらず、そこに230人ものマーケティング要員がいる。
・最も優秀な人材をマーケッターで抜擢する。
・自社の未来はマーケッターの双肩にかかっていると考えている。
・世界中の国や地域ごとに配置され、世界の動向から
その国や地域での市場を予測し、創造することがマーケッターに要求される。
●無能と化す日本の組織
(ピーターの法則)
1.階層社会では、
・すべての人は昇進する。
・(いずれは)その人の無能レベルに到達する。
・職務を遂行する能力がなくなると、それ以上は昇進しない。
2.組織に十分な地位と十分な時間がある場合
・すべての人は、無能レベルまで昇進し、そこに留まり続ける。
・やがて、無能な人間で占められる。
・結果、仕事は、まだ無能レベルに達していない人が行う。
3.昇進は無能への道の一里塚
・スーパーエンジニアがスーパー無能マネージャーに。
・組織の上層部は死屍累々。
・無能レベルに達する人数は、組織に依存する地位の数に比例する。
・十分な時間と地位がある組織は、無能の組織と化す。