アカウントプランニング思考
読みました。
- 作者: 小林保彦
- 出版社/メーカー: 日経広告研究所
- 発売日: 2004/05
- メディア: 単行本
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小林保彦さんを中心に、何人かの方で章を分担して書かれている本です。
語源の発祥であるイギリス、それが大きく展開したアメリカ、独自の発展を遂げた日本という3拠点の違いからアカウントプランニングとは何かについて書かれています。
よくマーケティングや販促企画、定性調査の本を読んでいると出てくる言葉、「インサイト」「コンシューマーインサイト」。
HCDもマーケティングからきたものと聞いたことがあったので、なるほどと思いました。語源はこの「アカウントプランニング」にあったのですね。
内容は専門的で難しいですね。とっつきにくいですが、ためになることもありました。
デザイナーやアートディレクター、クリエイティブディレクターの活動領域って何でしょう?何でもありなんですかね。ますます頭の中が混乱してきました。
企業の中にいるものとしては、そのアカウントプランニング的な部分(制作やメディアを除く)、主に企業コンセプト部分は内製でやりたいという思いは強いのではないでしょうか、自社でコントロールしたい部分でしょうし。組織の担当者もコロコロ変わりますが、代理店も同じようにコロコロ変わりますし。どちらにしても難しいですか。一貫したブランドメッセージを訴求できる企業って本当にすごいなと思います。
●アカウントプランニングとは
・取引先を意味する「アカウント」と、企画を意味する「プランニング」の合成語。
・広告会社が消費者の視点から企画、制作、営業、媒体機能を統合し、
消費者と広告主との間の「満足価値接点(コンシューマーインサイト)」を発見する活動。
・消費者心理や行動を理解し、広告開発のすべてのステップに反映させること。
・消費者分析ではなく、消費者理解。
・分析技術ではなく、変化を引き起こすための活動。
・アカウントプランニングは、マーケティング、クリエーティブ、メディア、営業等、
各部門を統合、融合する役割を担う。
コンシューマーインサイトは、企業と消費者の関係を結びつける意味合い。
・メッセージと受け手の関係づけのスイートスポットの発見、言語化。
・3つの特性
1.コンシューマーインサイト
生活者価値から出発する
2.クリエーティブブリーフ作成
戦略からクリエーティブへと踏み込む
3.ブリーフィング運営
異質の価値をぶつけ合ってアイデアを創発する
・2つの成果
1.「生活者視点」の思想、取り組み姿勢の明示と実践
2.ターゲット=生活者の暗黙知を形式知化する
●アカウントプランナーの役割
・ブランドと消費者とを共生的関係にし、両者から共感点を見つけること。
・企業や商品に生命を与え、長期的な戦略を立てることができ、
その一方で消費者を人間として見ることができ、
双方にとって的確なコンシューマーインサイトを捉えることができること。
・消費者に関する心理学者であり、人類学者であり、社会学者であること、
物事を受け止めるオープンな心を持っていること、ヒューマニストであること。
・重要な資質として、人に対する好奇心、鋭い感性を持ち、
人を観察して「なぜこのような行動をとるのか」を把握できること。
・「目利き」として「リーディングエッジ」を見つけ出すこと。