ワンランク上の問題解決の技術

読みました。

先日読んだ「問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門」の上級編がこちら。
ファンクショナル・アプローチという手法がとても面白そうだったので、続きで読んでみました。
イデア発想の創造技法との相性がとても良さそうな考え方、手法です。
色々な図解やツールが紹介されているので、とても参考になる一冊です。

●問題解決とは
・問題に直面した時に問われるのが、あなたの問題に対する視点。
・ビジネスで成功するには、ここぞという時に、
 状況を正しく見ることのできる「分析力」、
 最適解を確実に実行できる「実行力」が必要。
・世の中のあらゆる製品、サービス、ビジネス、組織には、必ずファンクションがある。
 このファンクションを見抜く力が身につけば、状況を正しく分析できる。

●ファンクショナル・アプローチとは
・1947年、GE社から生まれたVE手法。
・もともと生産活動の管理技術として生まれた。

●20世紀の三大管理技術
IE Industrial Engineering 生産工学
・QC Quality Control 品質管理
・VE Value Engineering 価値工学

●問題解決5つのフェーズ ISSUE
・Identification 問題の認識 ★特に重要
・Specification 改善点の特定 ★特に重要
・Selection 解決手段の選択
・Utilization 解決手段の適用
・Evaluation 改善効果の評価

●問題を認識するには
1.短期的に現れる変化から問題を知る
2.わずかに現れている兆候から問題を見つける
3.事前に問題の発生を察する

●改善点を特定する方法
1.手当たり次第に試してみて、改善点にたどり着くのを待つ
2.何かを手がかかりに改善点をたぐり寄せる

●問題解決がうまくいかない4つの理由
1.わだちに沿って進もうとしている
2.解決手段を一生懸命探している
 問題解決のヒントを探して問題の外側に意識を向けてしまう、
 「問題解決=改善点×解決手段」
 解決手段ばかり考えるのではなく、改善点に大きなヒントがある
 まず、改善点に焦点をあてること
3.潜在的改善点を探そうとしない
4.過去を手放したがらない

●問題解決の思考のルール
1.固定観念にしばられず、前回と違った方法を試してみる
2.手段にこだわるのではなく、改善点に焦点をあてる
3.「見落とされている改善点」を探す
4.過去を手放し、未来のあるべき姿から発想する

●「無駄な努力」を見分ける2つの質問
・「それは何のため?」(目的、効果を問う)
・「それは誰のため?」(得られる結果の所有者を問う)

●改善で目指すのは「どれだけ良くなったか」
・改善にゴールや終わりはない、あるのは優劣だけ。
・目指すのは「優れている」こと。
 改善前と改善後を比べることによって得られた改善率。
・改善とは、より優れた状態を追い求める活動。

●問題解決に必要な要素
1.分析力 問題の認識、改善点の抽出
2.実行力 解決手段の選択、問題の解決

●問題に直面した時の4つの志向パターン
1.分析力と実行力の両方が乏しい
2.実行力があっても分析力が乏しい
3.分析力があっても実行力が乏しい
4.実行力と分析力の両方を兼ね備えている

●改善点を見つける5つのアプローチ
1.仮説検証法
2.品質管理法
3.情報解析法
4.類型置換法
5.機能分析法

●常識ができあがる原理
・常識とは、外的誘因と内的動因が一致した時に、脳が作り出す知識
・常識を作らせないためには、外的誘因を遠ざける、
・常識とは、あくまでその集団の中で大多数の人が持っている
 共通の知識であり、決して正しい知識ではない。

●ファンクション・アプローチ
・「改善点の発見」と「解決手段の創造」を同時に実現する方法。

●1.5つのツールを準備する
1.解決しなければならない問題
2.ポストイットとペン
3.一緒に手伝ってくれるメンバー
4.まとまった時間
5.解決への情熱(本気、根気、勇気)

●2.より効果的な解決手段を見つける5つのヒント、価値向上の5原則
1.使用者優先の原則(相手の立場で考える)
2.機能本位の原則(機能の視点で考える)
3.創造による変更の原則(過去ではなく、未来で考える)
4.チームデザインの原則(メンバーとともに考える)
5.価値向上の原則(価値を高めることを考える)

●3.基本的な手順、ステップ
1.準備(ツール、心構え、手順、対象を確認する)
2.分解(問題を含む全体をファンクションに分解し、再構築する)
3.創造(ファンクションを発想の原点にし、アイデアを創造する)
4.洗練(創造されたアイデアを評価し、磨き上げる)

●FASTダイアグラム
・Function Analysis System Technique
・機能系統図
・1965年 米国VE国際大会にてチャールズ・バイザウェイが発表
・左に目的、右に手段を示す
・上下方向でタイミングを表す