「新規事業」はどうすれば育つのか

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「新規事業」はどうすれば育つのか

「新規事業」はどうすれば育つのか

企業内起業のススメを説く本です。
社内のリソースを十分に活かして、成功する可能性をより高める、なるほど。
また起業に求められる資質・能力と、経営するという資質・能力はまったくの別モノなのですね。


●新規事業が失敗する7つのケース
1.担当者の人選ミス
2.既存事業より弱い発言権
3.トップの直感による基準のない判断ミス
4.属人的なツテに頼るだけの事業開発
5.報告・社内調整によるスピード喪失
6.平等主義による人事・報酬制度
7.「資本家の論理」がのさばる

●新規事業の前提
・自分たちの会社の本質は「何業なのか」をハッキリと自覚する。
・社内企業のメリットは、その企業の経営資源(2つ)を活かせる。
・目に見える経営資源
 工場、店舗、商品、販売ルート、得意客、過去の遺産
・目に見えない経営資源
 企業風土、技術、信用、ブランドイメージ、
 社員一人ひとりが持っている情報、知恵、経験、ノウハウ、人脈。

●新規事業の4つの型
1.多角型
2.市場開拓型
3.技術開発型
4.公募参加型

●新規事業3つの展開方法
1.垂直展開 
 一つの業界を深掘りしていく方法
2.水平展開
 コア・コンピタンスを活用して事業を広げていく方法
3.メディア転換
 本質的なビジネスモデルは変えずに、アウトプット先を変える

●そのアイデアは3つのニーズを満たしているか
1.顧客のニーズ
2.企業のニーズ
3.企業内起業家(発案者)のニーズ

●社内起業家を選ぶ基準
1.起業家の能力、経験、ノウハウ
2.起業家自身の希望しているビジネスアイデア

●起業の4原則
1.人の役に立つ
2.儲かる
3.やりたいこと、好きなこと
4.世の中に受け入れられる

ベンチャー、起業、経営
・アメリカにベンチャー企業はない、
 ベンチャーとは会社を指すものではなく、
 人の内側になるスピリッツのこと。
・起業に最も必要なのは、スピリッツ
・経営と企業は別もの、
 経営者と起業家は違ってステージ、
 求められる資質も違う。
・経営はマネジメントであり、一つの職能。
 いかに合理的判断によって効率よく人を活かし、
 組織を運営し、利益を上げることが求められる。
 プロの経営者は、どのような職種、企業でも手腕を発揮できる。
・起業は、スピリッツを伴った行動力。
 自分の理想、夢を信じる力。

●起業を成功させる環境づくり
1.資本政策
2.人事制度
3.意志決定者の数

●顧客ニーズを掴む
事業コンセプトとは、
 「誰のためのものか、どう役に立つか」
・ニーズの本質は、人々の裏側にある苦しみ、
 悩み、悲鳴、苦痛から生まれるもの。
 そこに向き合い、問題解決する中に見えてくるもの。
 キラキラしたものだけではない。
事業コンセプトの必要条件と十分条件
・必要条件:発見、本当の必要性競争優位のコア
十分条件事業を遂行するためのビジネスシステム
事業コンセプトを固めるために、マーケティングリサーチを行う。
・経営者はマーケティングリサーチのない企画案を信用しない。
・だいたい1000億円くらいの市場が見込めるビジネスであること。
・市場とは、経営の舞台

●起業を阻む4つの壁
1.イニシャル・マーケットの壁
2.経営資源の傾斜投入の壁
3.トップマネジメントの壁
4.本業の企業イメージの壁

事業の立ち上げ
・経営者、リーダーはメンバーとの徹底した
 ビジョンの共有化を図らなければならない。
・経営とは、理想のベクトルのあった言語共同体で成り立つ。
 理念やビジョンが言葉として明文化され、
 その言葉が組織の末端まで行き渡っていること。