V字回復の経営
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V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/04
- メディア: 文庫
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●会社を変えるには
・市場が成熟し、事業成長が止まる頃には、組織体質は凝り固まっている。
・企業戦略の最大の敵は、組織内部の政治性
・常識的には変えることはできない。
普通の人は自助努力だけでは自分を変えられない。
・自分の心に大きな影響を及ぼす何らかの出来事が起こるか、強力なリーダーが出てくるか。
・ところが企業では、出る杭は打たれ、スターはいなくなっている。
・日本企業における経営者的の不足は危機的。変化志向のリーダーシップの育成が急務。
・組織とは、タテ組織、ヨコ組織の組み合わせ。タテとヨコの利害がぶつかるのは宿命。
・解決方法は、一つ上の組織階層にいる「共通の上司」が、早めに積極的に動く。
・トップのリーダーシップが弱いと、下も鍛えられることがない。
●改革者
・改革者は、多くの社員に会い、ものの見方を語る。熱き社員をこの指とまれで組織化する。
・改革者は、覚悟を決め、人々の心を揺らし、計算された事件を起こしていく。
・変化がうまくいかなかった時の落としどころ、最悪のシナリオを用意しておく。
・改革の第一歩は、厳しい現実を直視することから。
・好きか嫌いかという感情的反応を、正しいか正しくないかの論理的反応に置換える。
・マーケティング思考や戦略的なものの見方を磨く仕組みは会社にはない。
その知識や技法は社外からの刺激で向上するもの。ちゃんと勉強しないと身につかないもの。
・セオリー、原則論を外部から学んで初めて、内部の問題が見えてくる。
・社員の経営リテラシーが上がって初めて、トップ方針や戦略に対する目が肥える。
●戦略を描く
・戦略とはまだ実行していないことを決めること。仮説であること。
・その良し悪しはロジックで決める以外にない。
●商売のスピードとは
・スピードとは相対的なもの。
・誰かが速ければ、誰かが遅くなる。
・商売の基本サイクルを競合企業よりも速く回せれば、顧客は満足する。
●ダメになっていく会社の症状
1.企業の業績悪化と社内の危機感は相関しない。むしろ逆。業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気、よい成長企業はピリピリ。
2.やたらと出席者の多い大会議。リーダーシップの弱い組織の特徴。
3.部長たちが機能別組織のたこつぼに陥る。事業全体責任を分かち合う意識がない。
4.プロダクトマネージャーが社内政治の掃き溜めに。上位者でなければ解決できない戦略的課題を若手に押し付ける。
5.顧客視点の欠如。競合の話が出ない。内向きの話ばかり。
6.商品の全体戦略、新商品導入計画が会社全体として一気通貫で行われていない。
7.開発者が市場での勝ち負けに鈍感になっている。
8.ダメな会社ほど開発テーマが多すぎる。どれも進まない。会社に明確な戦略がない。
9.社員が外部に会社の不満を垂れ流す。会社の看板を背負うことを放棄している。
10.会議では部長はしゃべらず、部下のスタッフが話す、進める。スタッフの親玉、ミニ山大将みたいなのがはこびる。
11.日本人が勤勉はウソ。特に役員やエリートは働かない。
12.組織に感動、表情がない。真実を語ることがタブー化。皆しらけている。
13.幹部の経営リテラシー(読み書き能力)が不足している。
●顧客メリットが説明できるか
・機能、性能ではない
・顧客がどのようなメリットを得るのか、経済的利益はどれくらいか、どれだけ利益が増えるのか。
顧客は商品の価格の高い安いを、どのような理由で判断するのか。
●価値の連鎖
・創って、作って、売る。小さい組織
1.価値連鎖
2.時間連鎖
3.戦略連鎖
4.情報連鎖
5.マインド連鎖:熱き心、燃える集団
●ストーリーを描く
・事業の存在価値があると言い切るストーリーになっているか。
・魅力事業に変えるという絵になっているか。
・そうでなければ止めること。