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小説講座 売れる作家の全技術

読みました。

新宿鮫で有名な小説家 大沢在昌さんが小説講座の塾長となり、1年間、才能ある12人の小説家の卵の生徒さんとの授業風景を記した一冊。
物語を作る過程でのテクニックが惜しげもなく披露されています。
企画を考える、インタビューする、アイデアを出す、ペルソナを作る、物語を伝える、こうした一連の流れに大変参考になることがたくさんありました。小説家、プロの物書きの方のすごさの一端を垣間見ました。

●強いキャラクターを作る
・ストーリーよりもキャラクターが大切
・数字や固有名詞に頼らずにその人物を描写すること
・その人の雰囲気を喚起させる
・物語のアタマと終わりで主人公に変化のない物語は、人を動かさない
・悪人が実は善人という物語のほうが、深い印象を残す
・魅力的なキャラクターを作るには、観察しかない。想像しながら観察する。その人の視線の先を見る。何に興味を持っているのか。
・現実そのものを書かない。リアルである必要はないが、リアリティは必要。本物っぽく、かつ華があること
・主人公を変えたくなる、変えざるをえないほど追い込まれる、その状況を作るのが作家の務め
・主人公、悪役、ヒロインが弱いキャラクターの小説はダメ
・物語には理由が必要。どんなに荒唐無稽な物語でもルールは必要
・人物描写で楽をしない。キャラクターたちによって見える世界が異なることを意識する
・何かを失った人間が、何かを得ることによって一つの物語が出来上がる
・小説とは数学、物理的なもの。80枚の規定であれば、60枚までは設計図が必要、残り20枚は感性で書く。
・インタビューで大切なことは、ものすごく細かい部分と幹の部分を聞くこと。面白い話はこの二つ以外の真ん中の部分にある。100取材して使うのは40以下にする。

●プロットを作る
・優れた面白い小説には必ず謎がある
・謎をどのように物語の中に置いていくのかが、プロット作りの大きなカギ
・この小説の読みどころを、自分の中できちんと定義をする
・登場人物を増やしすぎない、増えた分は整理すること
・物語に「ひねり」を加える
・主人公に簡単に目標を達成させないこと、主人公に対して残酷であること
・「主人公に残酷な物語は面白い」
・どんな残酷な目にあっても主人公は物語の世界から降りない
・小説に「トゲ」を加える
・読み終えた後に、心の中にさざ波を起こすような何か
・トゲとは個性、その個性に共感すること

●文章と描写を磨く
・一連のシーンで一番大事なものは何か、描写の濃淡で差をつける
・描写とは、場所、人物、雰囲気
・小説とは情報の伝達、起承転結の各パートにどの情報を盛り込むかの設計図をつくる
・冒頭こそが小説の「命」
・説明なしに、いかに主人公を印象づけるか
・天、地、人、動、植
・天候、地理、人物、動物、植物を描写に加える

●作家に必要な3つの要素
1. 発想、アイデア
2. 着眼点
3. 情熱

●プロとは
・考えることは苦しい、でも書くことは楽しい
・アイデアの出ない人はプロにはなれない
・引き出しのない人間は、どれだけ頭をひねっても面白いアイデアは出ない
・本を読むことが好きで、読みすぎて、今度は書きたいという気持ちが転換した人
・書く技術は教えられても、アイデアを生む才能は教えられない

●本をつくるということ
・本を作る仕事は、元がとれない先行投資
・50人の新人作家に書き下ろしを頼んで、そのうちの1人が大きくなれば成功