思考のレッスン
再読。
- 作者: 丸谷才一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/10/10
- メディア: 文庫
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●読書とは
ものを考えるに当たって、どんな準備をすべきか。
まずは「読書」、本を読むことが最も大事。
本を読む上で一番大事なのは、おもしろがって読むこと、その快楽をエネルギーにして進むこと。
そのエネルギーがないと、本は読めない、読んでも身に付かない、無理矢理読んでも何の益にもならない。
読書は人間がベッドで行う快楽のうちの一つである。
逆に言えば、面白くない本は読むな。
読みはじめて面白くないと思ったら、そこで止める。断固として、これは読まなくてもいいと度胸を決める。それが大事。
●読書の3つの効用
1. 情報を得られる
2. 本を読むことによって考え方を学ぶことができる
3. 書き方を学ぶ
●本をどう選ぶか
・読みたい本を読むしかない
・コツの一つは書評を読むこと。そうすれば、かなり本選びのコツが分かる。うんと感心した書評があったら、実際に読んでみる。
・その書評を書いた人の本を読んでみる
・ひいき筋の書評家を持つこと
・学者の本を読む、偉い学者の書いた薄い本を読む
・ひいき筋の学者を持つこと
・大事なことは本を読むことではなく、考えること。まず考えれば、何を読めばいいか分かる。
●本を読むコツ
・自分が読んだ本で、これは大事だという本、ここは大事だという章、そういうものは何度も読むことが大切。繰り返して読む、あるいは何年か間隔をおいて読む。
・本は原則として、忙しい時に読むべきもの。まとまった時間があったらものを考えること。
●考えるコツ
・まず大事なのは、問いかけ。いかに「良い問」を立てるか。
・どうすれば良い問を得られるのか?それには「不思議だなぁ」という気持ちから出た謎が大事。
・良い問の第一条件は、それが自分自身が発した謎だという点
・二番目に大切なのは、謎をいかに育てるかということ。なぜだろう、どうしてだろうと思い続ける。思い続けて謎を明確化し、意識化すること。
・次に大切なことは、当たり前だ、昔からそうだ、と納得してはいけない
・謎を意識化すればすぐに答えが出るかというと、そうはうまくは行かない。焦るのは禁物。謎を解くには時間がかかるもの。
・慌てて本を読んではいけない。まず自分の心の中を眺める、見渡す、調べることが大事。
・また、謎を考えるためには、頭の中にある程度の隙間をつくっておかなければならない。
・考えるにあたって、比較と分析は非常に有効。物事を漠然と考えない。比較によって分析が可能になり、分析によって比較ができる
・仮説を立てること、直感と創造力を使って。また大胆であること、みんながアッと驚くものであること
・良い仮説を立てるには、多様なものの中にある共通する型を発見すること。型を発見したら、その型に対して名前をつけること。名付けによって考えが整理され、思考がさらに深まる。