エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第1回目
山崎和彦先生とロフトワークスさん主催の「エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ(全3回)」に参加しました。
ユーザーの本質的要求からビジョンを描き提案する - OpenCU.com
http://opencu.com/group/experience-vision
http://www.opencu.com/workshop/
●参加の動機
昨年読んだ「エクスペリエンス・ビジョン」の本、内容は盛りだくさんなのですが、独学だけでは十分な理解を得ることができませんでした。
エクスペリエンス・ビジョン: ユーザーを見つめてうれしい体験を企画するビジョン提案型デザイン手法
- 作者: 山崎和彦,上田義弘,高橋克実,早川誠二,郷健太郎,柳田宏治
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/07/13
- メディア: ムック
- 購入: 3人 クリック: 33回
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Smile Experience エクスペリエンス・ビジョンの実践的ワークショップ参加募集
http://kazkazdesign.blogspot.jp/2013/01/blog-post_24.html
公式サイトにはレポート(第1回目)もアップされています。
“まずは、おいしいエビちゃんを見つける”ことから。山崎和彦「エクスペリエンス・ビジョン」ワークショップレポート|OpenCU
http://www.opencu.com/2013/02/experiencevision01-report
ワークショップでは、エクスペリエンス・ビジョンの著者のお一人であるリコーの早川さんや、ロフトワークの方がサポートメンバーとして参加されていて、なんとも豪華な布陣でした。
●山崎先生から
- 今回はテンプレートの枠にがっちりはめたワークショップにはしたくない
- 基本的なことは最初に説明し、あとは参加者のみなさんがそれぞれに考えてもらえるものにしたい
- 日本におけるデザインの問題は、デザインが「デザイナーのセンス」という言葉でブロックボックス化していること
- デザイン手法、デザインプロセスを活用して、日本の中でもっと広く色々な場面でデザインを活用してもらうべき
- 大学においてもプロダクトデザインをどう学ぶか、について体系化されていないことも問題
- 教科書のように使ってもらうために「エクスペリエンス・ビジョン」という本を作った
- 「エクスペリエンス・ビジョン」のマークは「えび」。美味しいエビ
- ユーザーにとっての美味しい価値を作る→それが「エクスペリエンス・ビジョン」
- これまでの商品開発は、顧客の直接的なニーズを見ていた
- 問題解決型アプローチ、ユーザーニーズをまじめに聞く、カイゼンの繰り返し、使いやすい良い品質のものを作る
- ただ近年は、上記の流れとは全く違うプロセスやフレームワークからヒット商品が生まれている
- これからは、もっと上からの視点で見る、今まで見えなかったものを見てみる必要がある
- ユーザーが言っていることではなく、本質的に求めている価値を見つける
- ビジネスにおいては、会社の直近の利益ではなく、本質的に目指している価値を見つける
- ユーザー視点、ビジネス視点の両方を持つ。ビジネスモデルジェネレーション
- 提案型アプローチ
- 目標設定をして、ユーザーの本質的を探る。ビジョンを考え、クリエイティブジャンプ、発想をする。具体的な形に落とす。評価する
- どのようにしてユーザーの本質的な欲求を見つけ出すか、これが難しい
- そのためには多様な人と問題解決に取り組む。情報を共有化する。そのために視覚化する
- 全3回のワークショップで一通りのプロセスを回してみる、体験してみる
●エクスペリエンス・ビジョンWSの進め方
- 第1回目:エクスペリエンスビジョンの理解、ユーザーの本質的価値を探り視覚化
- 第2回目:ビジョンを見える化する、シナリオとスケッチ手法、体験的な発想をする
- 第3回目:ビジョンの形を見える化する、プロトタイプ化、ビジネスモデルの具現化
- 「自分が大切にしていること」を紹介する
これが今回の提案の最初のとっかかりになります。この時は気づきませんでしたが、ここが最後の最後まで提案内容に影響を及ぼす部分です。
●リードユーザーとテーマを決める
- 各人の「自分が大切にしていること」をふまえて、グループで一人、リードユーザーを決める
- 「自分のビジョンを助けて欲しい」と思っている人、全3回のWSに参加できる人を選ぶ
この「リードユーザー」が今回の提案のターゲットユーザーになります。この人のビジョンを助けるための提案を考えていきます。
●リードユーザーインタビュー
- 選出したリードユーザーに対して、インタビューを行う
- インタビューで聞いたことをどんどんポストイットに書き出す
- リードユーザーの言葉をそのまま書くこと
(インタビューのポイント)
- ラポール(信頼感)の形成
- オープンマインド
- 大事なこと、大切なことは何かを聞き出す、見つけ出す
- コンテクスト聞く
- 共感する
●事象、潜在ニーズ、本質的要求を書き出す
- ポストイット(発言録)を模造紙に貼っていく
- 3つのレイヤーに分ける
- (下段)リードユーザーが発言したこと
- (中段)そこから考えられること。このユーザーのやりたいことは何か?
- (上段)その人の本質的要求、価値は何か?
分析する上での注意点として、リードユーザーが発言したことは必ずしも真実ではない(かもしれない)、とのこと。
またこのワークの中では、上段の本質的要求までを書き出すことは困難でした。
●エクスペリエンスマップを作る
- マップ化する、物事を見えやすくする
- 縦軸と横軸をつくる
- 横軸は「時間」マクロ(年)かミクロ(分)か。過去、現在、未来。
- 縦軸を何にするか?これが難しい。各グループで考える。環境軸(場所)、人間軸(五感、感情)、等
- 縦軸はリードユーザーの「価値」にするといいかも
●発表
- エクスペリエンスマップを使って、発表する
私のグループではリードユーザーが発表してしまい、これは失敗でした…。リードユーザーでない人を発表者にすべきでした。
●第1回目まとめ
- 大事なことは、自分のフレームワークを外すこと
- インタビューにおいては、他人の考え方を知る、理解する、その人への迫り方を考えること
●参考情報
下記のセミナーでは、より深く学ぶことでできそうです。
HCD-Net | 予告:2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論(全6回」
http://www.hcdnet.org/event/2013hcd-net6_1.php
●第2回レポート、第3回レポート
エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第2回目
http://d.hatena.ne.jp/kahusu/20130226エクスペリエンス・ビジョン ワークショップ 第3回目
http://d.hatena.ne.jp/kahusu/20130312