中小企業のデザイン戦略
読みました。
- 作者: 木全賢井上和世
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: 新書
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デザイナーという、一般の人、中小企業経営者には馴染みのない人種について、事細かに解説、分析、付き合い方の指南、デザインフィーはいくらか、など述べられています。私もその馴染みのない人種に属する人間ですが、読んで大変ためになった一冊でした。
木全さんは前書「デザインにひそむ美しさの法則」の著者でもあります。
●工業デザインとは
商品のデザインをすること
非日常のデザインではなく、空気のように存在する日常のデザイン
商品開発全般にかかわる問題解決の手法
商品の外観形状や使い勝手を考えること
モダンデザインの一つの成果
メーカーが安心して商品を大量生産して、利益を生む手助けをするもの
企業のためのデザイン
外観デザインの新しさや奇抜さばかりを追いかけるのではなく、見えないところまで気をつかってデザインすること
基本は「人へのやさしさ」
贈る人(メーカー)は思いやり、やさしさ、サプライズを商品に込め、贈られる人(ユーザー)はその商品に安心感や所有する喜び、愛着を感じる、そのようにどちらにも喜びを与えること
●工業デザイナーの3つのタイプ
1.企業のインハウスデザイナーを経験して独立
2.工業デザイン事務所を経験して独立
3.学校卒業後どこにも所属せず独立
1.のタイプ。商品に関するセンスは抜群だが、そこに注力しているために、他の部分がおろそか。
他分野のデザイン業務を経験する機会がない。営業活動、金銭勘定ができない。生産現場を以外と知らない。
デザイン以外のことを知らない。独立しても大企業発想が抜けないために、中小企業に自分の意見を押しつけ、うまくことが進められない。
●フリーランスデザイナーと付き合う利点
1.見える化能力によるリスク管理
2.ノウハウの蓄積
●悪徳デザイナーに引っかからないためには
1.信用できる人物がどうか
2.体裁の整った資料だけを信用しない
3.いきなり大きな仕事を求めてくる
4.予算、著作権、知財権、契約についてしっかり対応してくれるか