続 子どもへのまなざし

読みました。

続 子どもへのまなざし

続 子どもへのまなざし

3部作のうちの第2巻です。読者からの子育についての質問に答える形で展開されます。特に後半の知的障害を持つ子どもへの章は、とても重いテーマだけに、考えさせられます。親としてどう受け入れるか、周りの人はどうサポートするか、障害の種類やその特徴を知ることで自分にできることが見えてくるのではと思います。

●母親として不安定な時期があったのですが。
・完全な育児というものは絶対にない。
・人はいろいろな不完全さを持って生きている。それが人間。
・今日よりも明日、という気持ちで、希望と安心を持つ。
・子どもは、先が明るく見えればしっかりと生きていける。

●子どもの望んだことは、どこまで満たしてあげればいいか。
・望んだだけ、満たしてあげればいい。もういいというまで。
・しかし、子どもが望んでいないことまで親がしてしまう、これはいけない。
・子どもの心はモノでは満たされない。
 モノを要求されるのは、親が子のこたえ方に不足がある。
 
●母親の不安、孤独、孤立
・多くのお母さんが育児不安を抱えている。
・多くのお母さんが、孤独で孤立している。
 不安になる、自分に自信が持てなくなる。
・人は孤独、孤立になると、誰も健全ではいられなくなる。
 自己愛的になっていく、自分だけが大切、人付き合いをしなくなる、
 自分の子どもに対してさえ、自己愛を投影する。
・子どもたちが家庭から放り出される時代がくる。
・育児で大切なことは、家族は隣近所、親類、職場の人たちと
 いいコミュニケーションをとること。
 いい知人、友人を持つこと。
 保育園や幼稚園の保母さん先生の力を頼ること。
 
知的障害の子どもについて
ダウン症自閉症の違い。
ダウン症は、不適応行動、異常行動が少ない。
 ごく普通の子ども、知能の発達だけが遅れている。
 人なつこい、他の子の真似が好き、学校行事が大好き。
自閉症は、あらゆる障害のなかで最も問題行動、不適応行動、異常行動が多い。
 一般の子どもとは全く違う。
 行事が大嫌い、仲間に入りたがらない、いつも一人離れて好きなことをする。
 想像力を働かすことができない。イメージの世界を持たない。
 同時にいくつものことができない。
 空間、視覚的な世界に生きている。
 文字を覚える、トランプ、道順を覚える、は得意。
 
注意欠陥多動性障害学習障害
・落ち着きがない、みんなと遊べない、集団場面での指示の理解が悪い、
 仲間との集団行動が苦手、トラブルを起こす、相手の気持ちが分からない、
 注意が散りやすい、不器用、運動が嫌い、先生の話を聞けない。
・シングル・フォーカスという特徴。
 いくつものことを、同時に考えることができない。
・衝動性という特徴。
 感情、衝動のコントロールが悪い、不器用。
・体の動作が不器用という特徴。
 体が思い通りに動かない。神経の働きのまとまりが悪い。
・子どもたちに接する時は、おだやかに注意し、繰り返し言って聞かせる。
 基本的には、叱らない。