ビジネスマンのための「行動観察」入門
読みました。
- 作者: 松波晴人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 新書
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私も仕事柄、商品の売場によく足を運びますが、どのような心構え、どんな所を見ればいいのか、それをどう次ぎにつなげていけばいいか、など大変参考になる内容でした。
●行動観察とは
・サービス業ではノウハウやスキルは個人の「勘と経験」という暗黙知に依存する。
・これまで個人に閉じていたノウハウをいかに共有するかが重要。
・人間の行動を深く知り、分析し、言語化されてこなかった部分を把握すること。
・行動観察を行うことで、
「言語されていないニーズやノウハウを抽出できる」
「社会通念によるバイアスを排除できる」
・行動観察の基本は、まず現場に入ること。
・行動観察は体力が必要とされる手法。
・行動観察では、お客さん目線ではなく、俯瞰的に物事を見ること。
・問題点を見つけるのではなく、具体的に何をどうすれば良くなるのか、
根拠とともに提示して、見える成果を出すこと。
●行動観察3つのステップ
1.観察
・人の行動を見ているだけでは不十分。
2.分析
・人の行動を解釈するために、人間に関する様々や知見を活用する。
・人間工学、エスノグラフィー、環境心理学、社会心理学、表情分析
3.改善
●行動観察における心構え
・自分の価値観で観察対象者を批判的な目で見てはいけない。
・人は、他者評価よりも自己評価が高い。
・「目の前の人といかにして幸せにするか」というマインドを持つ。
観察対象者との共感を得る、新しい創造を生む。
・人の周りにはパーソナルスペースという空間がある。
知らない人間に近距離に入られると不快に感じる。
・仮説を生み出すには、n数ではなく、どれだけ現場の実態を知り、
人間の行動を知ることができるか。
●提案の仕方
・理屈やデータが正しさを示しても、
担当者の考えと合わない提案内容は現場に受け入れてもらえない。
●記憶の手順
1.符号化 顔や名前などのの情報を、吸収する。
2.貯蔵 記憶の中に情報を長い期間、保存する。
3.検索 その人と会った時に情報を、思い出す。
●行動観察の手順
・フィールドをよく観察して、事実をありのままにとらえる。
・様々な事実について、可能な解釈を考える。
・アカデミックな知見(心理学、人間工学)を踏まえて、構造的な解釈を試みる。
・その事実をよりよく説明できる仮説を考える。
・得られた仮説に基づいてソリューション案を出す。
・ソリューション案を簡易に実施して、効果を見て、有効性を確認する。
●行動観察ができるようになるには
・「自分の価値観から自由になる」
よい仮説を得るには、先入観はジャマなもの。
・「人間についての知見を持つ」
人間の行動を構造的に解釈する。