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超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25

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超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25

超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25

1980〜90年代、黄金時代のソニー デザイン部門を率いた渡辺英夫さんの著書、というか遺作。執筆前に亡くなられたとか。渡辺さんの意志を継ぐ有志の方が残された彼のノート、資料から書き上げた、まさに魂のこもった本。
ソニーのデザイン部といえば、黒木靖夫さんがあまりにも有名ですが、No.2として共にデザイン部門を支えたのが渡辺さんだとか。
デザインの話なのに、全ページに渡ってロジカルに書かれていることに驚きました。図解も多く大変ためになりました。
企業のデザイン部門はどうあるべきか、どのようにマネジメントしていくのか、デザイナーに求められるものとは、そんな問いに明らかな答えを出してくれる一冊です。

●感性経営とは
・論理と感性の融合
・デザインとは論理を感性によって変容させ、
 新しい価値としてアウトプットすること、「画く力」。

●感性経営 3本柱
1.目利力 デザインの良し悪しを評価できる力
2.予測力 トレンドがどこに向かうのかを見通す力
3.説得力 周囲への理解、協力、実行

●デザイナーは無から有を生み出せるが…
・デザイナーは、アイデアに形を与え、新しいものを創造できる
・ただし、それを図面に起こし、金型をつくり、
 大量生産、大量販売のルートに乗せて、ビジネスとして成立させるには、
 しっかりした経営、経営の人が必要。

●Function follows Fiction
・日本メーカーのデザイン開発は、
 機能の追求= Form follows Function という
 バウハウス原理に行われてきた。
・しかし、多くの製品はすでにお客さんに行き渡った。
 これからは単に機能を満たした製品ではなく、
 もっと面白いもの、使う楽しさや喜びをくれる製品が求められる。
・使うプロセスが楽しい、それを使うことにより生活が豊かになる、
 そういうことが大事。
・Fictionとは、物語、仮説。

●デザイナーに求められる資質
1.個性を生かした独創力
2.組織の中の一員である認識を持つ
3.会社を取り巻くすべての人たちの夢と期待を大事にする
4.売れるデザインをすること

●商品企画はデザイナーの仕事
・デザイナーはマーケッターになれる、画く力
 マーケッターはデザイナーにはなれない、書く力。
・デザイナーは、企業内で存在感を持たなければならない
・商品企画はデザイン部門が担うべき
・マーケティングや設計者を味方につけること
・デザインマネージャーの役割は、
 主観的かつ独創的な画き手であるデザイナーと、
 客観的かな書き手であるマーケティングや企画部門の相互理解を促し、
 さまざまな立場の人間が一つの目標に向かうことのできる環境を整えること。

●SABフォーメーション
・Star 話題を作り出す
・Ability ソニーらしい
・Business ボリュームゾーン

●デザイナーは技術料理人
・革新的な技術とはなかなか生まれない
・新技術がない時のモノづくりはどうするか
・技術がない谷の時こそ、デザインの出番、コンセプトの味付けで勝負する
・技術の山がきた時はデザインでもっと頑張る、価値を高める
・どんな状況でも頼りにされるデザイン部隊であること

●らしさ
ソニーらしいとはどんなものか
・らしさという曖昧な暗黙知(感性)を継承するには、
 具体的な形式知(論理)に置き換える必要がある。
ソニー=小型化=時代の最先端技術の象徴
・マイクロ化プロジェクトとは、単なるモノの小型化ではなく、
 その背景にあるソニーアイデンティティを具現化すること

●ブランド戦略
・プロダクトアイデンティティの一貫性に徹底してこだわる
・どんなに魅力的なデザインでも、ソニーデザインのDNAとして
 突然変異的なもの、将来につながりそうにもないもの、
 一発屋、打ち上げ花火的デザインは排除する
・次世代に続く、新しい価値を生み出すことがデザイン
ソニーデザインという同じDNAが流れていなければ、ブランドは成り立たない