完全いじめ撃退マニュアル

読みました。

完全いじめ撃退マニュアル

完全いじめ撃退マニュアル

証拠調査士(エビデンサー)の平塚俊樹さんの著書。エビデンサーって聞き慣れない職業ですが、いじめ解決の切り札でしょうか。残念ながら日本には平塚さん以外にいなそうな感じです。
先日の森口さんの著書「校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法」に紹介されていた一冊。とにかく具体的に対処方法について詳しく書かれています。これはまさに戦いですね、戦うためには戦い方を知り、戦う武器が必要、丸腰ではやられてしまいます。まずは知識として知っておくべき内容かと。

●いじめの認識
・「いじめは、いつ、どこでも起こる」という事実を認識する
・「まさか、うちの子には」という理屈はない
・被害者になっている場合
・加害者になっている場合
・いじめられた子どもは、誰にもいじめの事実を決して明かさない
・一人で耐え続け、一人で命を断つ
・いじめと死はつながっていることは常識

●いじめ解決に必要なこと
・「決意」と「証拠」
・「どんな手段を使ってでも子どもを守る」悲壮な親の決意だけが、子どもの命を守ることができる
・相手と刺し違えても自分の子どもを守るという決意、それを子どもに伝える
・証拠集め、証拠を集めきった時点で8割方の勝負が決まる

●証拠を集める
・事実確認
ボイスレコーダー
・写真、動画
・聞き取り、クラスメートの証言

●緊急避難
・学校なんて命をかけて行くようなところではない
・まず学校を休ませることを検討すべき
・心の傷を癒す

●被害者の心のケア
・医師の診断書は、重要な証拠の一つ
・医師免許を持たない民間カウンセラーには相談しないこと

●相談する相手
・学校、教育委員会、警察、弁護士は当てにならない
・まずは、親。親子間のコミュニケーションがとれているか。
・地域でのコミュニケーション。学校関係の集まりに顔を出す、情報が確実に入ってくる
・情報なくして子どもは守れない
・地元議員とのパイプ作り、ただし特定の勢力に偏って立ち入らないこと

教育委員会、学校
教育委員会の職員は、学校関係者や市町村役場から出向者(公務員)で構成されている
教育委員会〜学校〜自治体、一体の組織
・彼らは死に物狂いで責任逃れを図ろうとする、保身のためならなんでもする
・いじめの隠蔽、証拠の破棄
・教師の関心事は、生徒より自分たちの生活が大事
・現状では、不良教師であっても解雇できない
労働審判制度、日教組

●警察
・被害届は、実際には警察が受理してくれるどうか分からない
・証拠が足りないので受理しても事件にできない
・忙しくて物理的に処理できない
・一度、証拠不十分なまま出した被害届が、不受理になると、それ以降は受け付けてもらえない
・まずは「防犯相談(家事相談、住民相談)」で行くべき
・そもそも警察は「法的機関」ではなく「捜査機関」
・被害届は「法的手段」であり、警察には権限が何もない。検察へ送るだけ

●弁護士
・いじめを解決できる弁護士はいない
・民事トラブルと同じ法則で片付ける
民事訴訟では、加害者がお金を払って裁判終了、いじめは残り、何も解決しない
・弁護士は証拠を集めるプロではない
・現場へも出向かない
・証拠保全には費用(30〜40万)がかかる

人権擁護委員
・人権侵害問題を解決するために、法務大臣に委嘱されている民間人
・各地方の法務局のもとで活動している
・いじめ問題解決の切札

●今日の一枚

最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由 世界恐慌への序章

読みました。

最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由 世界恐慌への序章

最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由 世界恐慌への序章

岩本沙弓さんの著書。予言ではなく、その業界にいた人だから分かる情報をもとに、書かれた2020年までの資本主義システム、マネー経済の姿。
2020年の終焉までの道のりを、一般人には知り得ない外国為替市場の仕組みちあわせて、分かりやすく解説くださっています。
しかるべき時に備えるという意味でも、読んでおくべき一冊かと。

金本位制
・保有している「金」の価値以上に紙幣を発行することはできない

外国為替市場と通貨戦略
・一見すると、通貨の両替しかしていないようにみえる
・実は、国家の思惑によって意図的に調整されている
基軸通貨のメリットを生かし為替レートの差を利用し、奪う側と奪われる側がはっきりと分かれる場所
・通貨システムは「富を搾取する側の論理」「力の論理」に左右される
・日本はこの通貨システムによって一方的に翻弄される
・ゆがんが通貨システム、特定の集団や国のエゴが反映されやすい、富を搾取する最高のツールとして使われている
・各国は国家戦略として通貨戦略を持つ
・日本には通貨戦略を持っていない
・市場にあるお金の供給量を見る
・日銀が緩和を続けてきたこの十数年間、日本国内で使われるべき資金は、海外へ流れていった。景気がよくなるわけがない

●為替市場分析
1. テクニカル分析 チャートを利用
2. ファンダメンタルズ分析 経済状況から判断
3. 第3の分析 富を搾取する側の思惑や策略

●為替レート
・ニュースを先取りして、全てをあらかじめ織り込みながら動くもの
・為替レートの動きをよめば、現実に起きることをある程度は予測できる

●円高
・円の価値が上がること。日本の価値を高め、信用力を高めるもの。本体、悲観するものではない
・モノを真面目に作り、コツコツと貯金し、経済を発展させてきた結果
・一方、ジャブジャブと紙幣を刷り、垂れ流す国があり、相対的に円の価値が上げる
・自ら自国通貨の価値を下げて円高を修正しようとするのは間違い
・エネルギー資源を安く手に入るのも通貨の価値が高いから
・円の価値が保たれるなら、圧倒的に世界恐慌時の被害が少なくなる
・海外の金融不安が落ち着き、日本経済が回復すれば、日本の投資資金は拝外に流れる。自然な円安になる
・世界の常識として「日本は世界一裕福である」ということ

●為替介入
・為替介入で使われているのは「国民の資産」。我々の預金、生命保険の掛け金など
・為替介入は輸出企業のためでなく、米国のため
・日本は、保有する米国債を売ることはできない。
・日本が借金体質の米国ファイナンスを請け負っている
・海外では為替介入は敬遠される

●ユーロ再編
・欧州債務問題により、ユーロが米ドルに代わる基軸通貨になる可能性はなくなった
・欧州危機による通貨安はドイツによって歓迎
・ギリシア危機があるからこそ、ドイツ経済は恩恵を受けている

●中国
・中国が覇権国家にはなりえない
人民元が、基軸通貨になれないから。通常の為替市場で自由に取引できる通貨ではない

●日本国債暴落論は間違い
・基本的な考えとして、債務国でないとデフォルトできない
・日本は、債権国。国家破綻には成り得ない、251兆円もの資金を海外に貸し出している

●相場格言
・まだはもうなり、もうはまだなり
・自分の知らないもの、分からないものには投資しない

コミュニケーション100の法則

読みました。

コミュニケーション100の法則

コミュニケーション100の法則

伊藤守さんの著書。実はビジュアルコミュニケーションデザインの本かと思って買ったら、全然違っていたという…。それにサイズがかなり小さい本…、Amazonから届いた時にはビックリしました。
人とのコミュニケーションに役立つ100のいい言葉が書かれています。さらっと読めちゃいますが、何度も読み返したくなる一冊です。

●001 コミュニケーションはキャッチボール

●002 コミュニケーションはドッジボールではない

●016 コミュニケーションとは、痛みや苦しみが伴うこともある
・痛みや苦しみがコミュニケーションを交わすことから生まれる、ほとんどの喜びや感動もコミュニケーションを交わすことから生まれる

●025 コミュニケーションのゴールとは、相手を励まし、勇気づけること
・コミュニケーションのレベル1:情報の交換(仕事の話や政治の話、うわさ話)
・コミュニケーションのレベル2:体験の交換(自分自身が感じていること、本当に思っていること)
・コミュニケーションのレベル3:相手を励まし勇気づけること

●036 コミュニケーションに疲れたら、外に出て散歩しなさい
・内向した意識が外に向かっているのを感じるまで、歩き続けること

●045 コミュニケーションに結論はいらない
・結論が必要なのは、戦争とビジネスだけ

●060 コミュニケーションを断ち切るのに有効な言葉
・「でも」「しかし」「要するにあなたが言いたいのは」「前に聞いた」「知ってる」

●061 コミュニケーションを深めるのに有効な言葉
・「それから?」「それで?」「もっと話して!」

●085 人を責めたり、裁いたり、評価したり、批判したりするのは、あなたの仕事ではない

●098 コミュニケーションの価値は、感動にあるS
・感動が生きている実感であり、感動がコミュニケーションの目的

校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法

読みました。

校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法

校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法

森口朗さんの新刊が出たのでさっそく購入。前回の「いじめの構造」からより踏み込んだ内容になっています。それにしても根深い、怖い。子どもだけでなく、親、学校組織、地域社会も含めて全体の問題。このようないつまでたっても解決されない問題への解決アプローチって考えられないものだろうか。

●学校は文字通りの「無法地帯」
・学校では犯罪が「いじめ」としてまかり通っている
・暴力で法が規制されていない世界
・公教育の信用はゼロ
・無法地帯である学校を社会のルールに従わせるべき
・校内犯罪=いじめは、その代表例に過ぎない

体罰
体罰とは、教師による違法かつ私的な制裁
・公平に行われていたものではない
・学校は無法地帯、かつては規範があったが
・教師の暴力は、子ども間の暴力を制止する力にはなっていた

●いじめとは
・「いじめ」の定義は識者によってさまざま
1. 一定の人間関係のある者から、
2. 心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、
3. 精神的な苦痛を感じているもの
4. 起こった場所は学校の内外を問わない

●いじめ対策
・いじめから逃れるために転校する
・隠し録音/録画でいじめの証拠を押さえて教師に対処を求める
・学校全体が動かなければ、教育委員会やマスコミに訴える
・無法地帯で犯罪被害者になったらどうするか、これがいじめ問題を考える際の基本的前提
・教育界のあらゆる「キレイごと」と決別すること
・子ども同士のいさかいはどこでも起こる、深刻ないじめに発展するか否かは教師の力量に依存する
・ただ教師を選べない現状では、最後は自分で守るしかない
・いじめ解決の手法に絶対などない
・いじめ問題に親が乗り出す際は、基本的には「戦い」である。証拠こそがすべて
・我が子はいじめを受けているのではなく、犯罪被害者になっていると認識する
・とことん相手を追いつめるという気迫で戦うこと
・いじめ被害者が弁護士を連れて行かずに、警察に告訴状を提出し、受理されることは不可能

●裁判
小額訴訟(損害賠償請求が60万円以下)、簡易裁判所の管轄
・弁護士を伴う訴訟(損害賠償請求が140万円以上)、地方裁判所の管轄

●いじめ予防
1. 「いじめられる方に責任がある」場合を知る
2. いじめられる原因を潰す
3. 強い子に育てる

●いじめ隠蔽の6段階
1. クラスの中でいじめが存在するのに、担任教諭がそれを見て見ぬフリをする
2. 子どもたちが担任教諭にいじめ被害を訴えているにも関わらず、その存在を認めない
3. 保護者から担任教諭にいじめの相談があったのに、納得できる対処をしない、その存在を認めない
4. 保護者が校長や教頭に訴えたのにも関わらず、学校として納得できる対処をしない、その存在を認めない
5. 保護者が教育委員会に訴えたのにも関わらず、教育委員会として納得できる対処をしない、その存在を認めない
6. 保護者が裁判に訴え出た際に、学校や教育委員会がいじめの事実や、いじめと被害の因果関係を否定する

●いじめ隠蔽の指標
不登校といじめの関連性は高い
・いじめ認知数と不登校数を見る
不登校数に対して、認知数が低い場合は隠蔽している可能性が大

教育委員会
教育委員会の教育委員は、地元の名士がなる名誉職、実態はアルバイト(非常勤)にすぎない
・実質的な権限は何も持っていない

●「いじり」と「いじめ」
・他人をネタにして笑いをとる手法

●地域社会は全くあてにならない
・大津いじめ自殺事件で地域社会がどのように動いたか
・学校と加害者の家族が一緒になっていじめを隠蔽
・地域の警察がこれに加担するように被害届を受理しない
・地域社会こそがいじめの温床
・地域社会に求められるのは、学校に居場所のない子どもの居場所づくり

●今日の一枚

採用基準

読みました。

採用基準

採用基準

マッキンゼー コンサルタント 伊賀泰代さんの著書。スゴ本です!間違いなく買うべき一冊かと。
もっと早くこの本に出会っていれば人生変わっちゃうかもです。
書かれているのはのリーダーシップの重要性について。リーダーシップは全ての人に身につけるべきスキルであるとのこと。
バリューを出す、ポジションをとる、何か一つでも実践していきたい。

●グローバルビジネスの前線で求められるのはリーダーシップ
・日本では、リーダーシップの資質が正しく理解されていない
・リーダーシップの資質やスキルを身につけることで、世の中は変わる
・リーダーシップを身につければ、個人の働き方やキャリア形成、人生は変わる

マッキンゼーの採用基準
1. リーダーシップがあること
2. 地頭がいいこと
3. 英語ができること
・世界全体で同じ採用基準、人事制度
・入社後は、同じ仕組みで評価され、同じ研修を受け、共同チームを組む
・国籍は関係ない、単に優秀な人を求めている

マッキンゼーの求める人材
・バランスのとれた平均点の高い優等生ではなく、何かの点において突出して高い能力を持った人
・スパイク型人材。難局においてリーダーシップを発揮する際に、とても有利になる
・将来、グローバルリーダーとして活躍できる人

●ケース面接で見るポイント
・考える意欲があるか、考える体力があるか
・どんな考え方をする人か
・その人がどのようなタイプの思考プロセスを持つ人なのか
・毎日何時間も考えることが楽しくて楽しくて仕方がない人でないと、仕事に就くのは不可能
・半端でないレベルまで考え尽くすことができる人か

●応募者が面接で見極めるべきこと
・この仕事は本当に自分がやりたい仕事なのか
・自分に適正のある仕事だろうか
・ここは自分にとっての正しい場所なのか

マッキンゼーの流儀
コンサルタントは常に世間の常識を鵜呑みにしない
・自分でゼロから考える
・他者の、世間の、一般的な考えではなく、自分のオリジナルの考えを突き詰めること
・全員がリーダーシップを発揮して問題解決を進める

コンサルティング業務とは
1. 経営課題の相談を受ける
2. 問題の解決方法を見つける
3. 問題を解決する
・経営者が経営上の課題を誰にでも打ち明けたりはしない
・深い信頼関係が成り立っていることが不可欠
・そこに必要な資質は、自社のみにコミットメントしてくれているという信頼感、個人として弱みを見せてもよいと思う包容力、最終的に結果を出してくれると信じられるリーダーシップ
・高い緊張感の中で何時間も議論を続け、体力を消耗する飛行機移動を繰り返し、十分な睡眠時間を確保することもままならない中で、それでも明晰な思考や判断が可能になるだけの体力が必要

●問題解決リリーダーシップ
コンサルタントにとって最も重要なスキルは、問題解決スキルではなく、問題解決リーダーシップ
・クライアント企業の既存のやり方を変えるには、強力なリーダーシップが必要
・どんな場合でも、他者を巻き込んで現状を変えていこうと思えば、必ずリーダーシップが必要
・世の中には、「どうすればいいのか、みんながわかっているが、誰もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」があふれている

●失敗する組織
・一人だけがリーダー、他はフォロワー
・リーダーの後を素直についていくフォロワーとなる
・チーム全体を率いることは自分の役割ではない
・個人として、できるだけ高い価値を生み出すことに専念する
・リーダーが孤立し、一人疲弊する

●リーダーがなすべき4つのタスク
1. 目標を掲げる
2. 先頭を走る
3. 決める
4. 伝える

●リーダーシップの基本動作
1. バリューを出す(価値を生む、成果を出す)
2. ポジションをとる(あなたの意見は何か、結論を出す)
3. 自分の仕事のリーダーは自分(舞台監督である)
4. ホワイトボードの前に立つ(議論のリーダーシップをとる)

●自分のリーダーシップスタイルを見つける
・あなたは、どんなリーダーになりたいのか?あなたらしいリーダーシップスタイルとはどのようなものか?(コンセプト)
・あなたは、どのような分野において、どんなスタイルで組織を率いていくリーダーを目指すのか

マッキンゼーの人事評価
・「チームの成果はどのようなものか」+「あなた個人は、その成果にどう貢献したのか」
・集団や組織を動かさずに成果を上げられることはない
・自分一人で集中して取り組んだ方が高い成果が出る、は間違い。そんな人についていきたい人はいない
・必要なのは、一人で全てを変革できるカリスマリーダーではなく、あらゆる分野で働く名もない数多くのリーダー
・カリスマリーダーは、育てるものではなく、出現するもの

●企業としてリーダーシップを理解する
・企業は社員全員にリーダーシップ教育を行う体制を整える
・グローバル企業であれば中央集権的な意思決定ではなく、分散型意思決定システムで運営する
・でないと世界中の人たちのニーズをくみ上げ、それぞれから求められる製品/サービスをタイムリーに提供できない
・その巨大システムを運営するには、世界中に多数のリーダーが必要になる

●個人としてリーダーシップを理解する
・リーダーシップを発揮するには相当のエネルギーが必要
・リーダーシップを身につけることで、自分自身のキャリア、生き方が変わる
・リーダーシップを身につけることで、自分が気になっていた問題が解決できる
・自分で解決できる問題の範囲や規模はどんどん拡大する、成長の実感が得られる
・自分の仕事やライフスタイル、生き方のポリシーを、既存の組織や団体の器に合わせるのではなく、自分自身が実現したいと考える世界をそのままストレートに追求できるようになる
・リーダーシップを発揮することは、自動車のハンドルを握ることと同じ
・自分自身が人生のコントロールを握ることができる

●今日の一枚

すぐれた意思決定

読みました。

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

印南一路さんの著書。戦略的思考についての社内セミナーに出た際に、講師の方からオススメいただいた一冊。
すごくいい本でした。選択肢をつくること、意思決定するそのプロセス、判断するための創造力と創造力、個人の意思決定と組織の意思決定、それらの重要性をよく理解することができます。この本は何度も読まなくては。

●意思決定とは
・判断と選択
複数の選択肢の中から、1つないし複数の選択肢を選ぶこと
・選択すること
・高度な知的活動
・意思決定は、予測判断や因果関係のみならず、人それぞれの好み(選好)にも影響される
・予測は、意思決定のために行われる

●選択肢
・選択肢の価値=全ての次元の合計(相対的な重要性×価値)

●決定ルール
・選択するためのルールのこと

●評価する基準
・選択肢を評価するには、何を評価基準として選ぶかという判断と、評価基準同士の重み付けの判断が必要

●すぐれた意思決定とは
・目的に合っていること
・プロセスが重視されていること

●2つの意思決定論
1. 規範的、演繹的意思決定論
 ・合理的な人間であればどういう意思決定をすべきか、ゲーム理論
 ・人間が完全に問題を定義することができる前提
 ・プロのスイングをビデオで観るのが、規範的意思決定論
2. 記述的意思決定論
 ・実際の意思決定がどのように行われるか、実証研究
 ・実践で試していない、演繹的に導かれている前提
 ・練習場で自らの悪い癖を指摘してもらうのが、記述的意思決定論

●意思決定のフレームワーク
1. 問題の定義
2. 選択肢の発見
3. 判断基準の設定
4. 効用を最大化する選択肢の選択

●判断に必要な能力
・想像力と創造力
・将来の予測には今後起こり得る結果を想像することが必要
・様々な結果がそれぞれ、どれだけ起こり得ることか評価することが必要

●創造のプロセス
1. 準備段階
2. 生産段階
3. 判断段階

●創造的になるには
⒈ 思考チャネルの可能性を妨げないように準備する
⒉ アイデアの生産を自由に広げる状況にする
⒊ アイデアの評価をできるだけ先に延ばすようにする

●組織の意思決定
・多くの重要な意思決定が、個人ではなく集団によって行われている。組織は会議が多い
・豊富な情報と多角的視点
・高まる受容度と実現可能性
・責任の分散

●集団的意思決定の病理現象
1. 社会的手抜き
・努力目標を下げてしまう
・必死になって考えることをしない
2. 同調圧力
・集団内の大勢ある意見や態度に同調しなければならない
・問題は、同一圧力になる多数派の意見や判断が必ずしも正しいとは限らないこと
3. 少数派影響力
4. 集団極化現象
・集団で討論すると、個々人が志向するよりも、よりリスキーな案を志向するようになる
5. 過剰忖度(そんたく)
・誰も望んでいないことを、集団で決めてしまう
6. 病理的集団思考
・凝集性の高いエリート集団が、極めて重要な結果をもたらす意思決定を行う場合、病理的な現象が生じることがある
・不敗神話、無敵幻想、決定の正当化、敵を悪人とする、反対者への圧力、自己検閲、全員一致の幻想、自己防衛

●集団での意思決定をするには
・目指す方向性は、個人の場合と変わらない
・なるべく問題を多角的に捉え、想像力と創造力を働かせ、多くの選択肢を生成し、それぞれの選択肢の将来の帰結をできる限り正確に予測し、合理的な決定ルールに基づいて選択すること
・いかに病理的現象に陥らずに、集団としての強みを発揮するような意思決定ができるか

●集団での意思決定の質を高める
1. 異質なメンバーを許容する
2. コミュニケーション制御
3. 意見評価の一時停止
4. 悪魔の弁護人(皆の意見に対して、ことごとく反対する役割を担う人)
5. 情報技術の利用

●今日の一枚

人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方

読みました。

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)

牟田静香さんの著書。いかにして集客のある、かつ満足度の高い講演/講座を作り上げるか、その手法、考え方が詰まった一冊です。これはためになりました。ほぼ独学でここまでやられるなんてすごすぎです。実際に手がけられた講演/講座の失敗や成功の事例も豊富に紹介されており、チラシが中心ですが、本質を理解すればWeb媒体や他媒体でも応用ができるでしょう。

●集客のポイント
1. ターゲットを徹底的に絞る
2. ターゲットの心に響くタイトルをつける

●ターゲットを定める
・ターゲットが定まると、日程も決まる
・誰でも来たい講座というのはありえない
・ターゲットの行動や日常のリズムは、本人や周辺の人にしか分からない
・参加者を細かく限定することではない。主催者側の意識として「こういう人に来てほしい」と明確にしておくこと
・そのターゲットにあった、タイトル、日時、チラシのデザインを考える

●タイトルをつける
・タイトルに困ったら、ターゲットになる人たちに聞いてみる
・主催者の目標は、参加者には関係ない。参加者に「役に立ちそう」「楽しそう」「仲間ができそう」と思ってもらえる講座かどうか
・参加者の得を考えること
・流行っているものを真似る
・日頃からタイトルネタを収集する。新聞、ターゲットが読む雑誌、書店、人気テレビ番組、流行歌、ターゲット層の会話、アンケート結果、参加動機
・人に言えないタイトルではだめ

●残念なタイトルの傾向、事例
・法律、条令の文言や講座目的そのまんまのタイトル 「明るいまちづくりへの参画」
・社会背景表現型 「晩婚化と男女のゆくえ」
・疑問を投げかけるタイトル 「わたしたちはどう生きてきたか」
・認知率の低い言葉を使う 「職場で役立つアサーティブトレーニング
・受講者の立場を否定するタイトル 「子どもに嫌われないための講座」
・レッツ系 「人権を学び合おう」
・人に言えないタイトル 「DV被害者セミナー」

●単発の大講演会より連続講座を重視する
・一回だけなら、精一杯の動員をかけて人集めはできる
・一回の大講演会では、人の意識を変える力はない
・人間の意識は、人と話をする、人と人とのつながりの中で自分と同じことを考えている人がいる、自分と違う考えの人がいる、そういう違いを確認しながら時間を過ごしていくことによって深まっていき、自分の生活に浸透する
・大講演会は、連続講座に来てもらうための誘い水、主催者を知ってもらう、方向性を知ってもらう、連続講座を知ってもらうためのもの
・参加者の数名が企画員として活動してくれるようになる、「核となる人」になってくれる

●アンケート
・「まあまあ」「ふつう」という回答とは、「満足しなかった」ということ
・受講動機
・何を見て応募したか

●申込方法
・先着順をやめる、抽選にする
・申込者全員のデータを集めることができる、分析することができる

●定員
・その講座にとって、一番効果的な定員がある
・部屋の大きさで決めない
・講師と確認しながら最適な人数を考える
・参加者同士の話合いが中心であれば、25名に抑える
・たくさん入れると「満足度」が低くなる、出席率が悪くなる、つながらなくなる

●タイミング、募集時期
・タイムリーなものをやる

●チラシのデザイン
・「かっこいいデザイン」にしたら人が来るわけではない
・この講座はこういう人がターゲットだからこう、というデザインにする
・ターゲットを無視した独りよがりのデザインは自滅する

PDCAを回す
P 企画 目的の明確化、講師の選定、タイトル決定(ターゲットに合わせて選定)
D 広報・宣伝活動、講座運営(講師と密に打ち合わせ)
C 総括(講座後のアンケート分析、事後調査)
A 課題抽出

1. 事前のプロセス
・スタッフ全員が目標を共有して広報、宣伝ができたか
・役割分担はうまくいったか
・ターゲットに対しての広報、宣伝はこれでよかったか

2. 結果の評価
・ 募集定員をクリアしたか
・出席率はどうか

3. アンケート回収率
・必ず講座の時間内にアンケートを書いてもらう
・回収率=満足度

4. 受講動機と満足度
・アンケート、もしくは口頭で聞く
・受講動機を確認する、何を見て応募してきたのか、応募につながったのか
・次につながるヒントがたくさんある
・満足度は高かったか、講座の目的は達成できたか

5. 課題の抽出
・次につなげるために考える