仕事で「一皮むける」

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仕事で「一皮むける」 (光文社新書)

仕事で「一皮むける」 (光文社新書)

日本の有名企業の幹部さんへの一皮むけた経験の取材インタビューから、仕事を通して人が大きくなるということはどういうことかが書かれています。僕にも人に語れる物語があるのだろうか。

一皮むける経験とはその人の「ウォー・ストーリーズ」そのもの。
仕事をしながら齢をとり、キャリアを積み、よい方向で成熟していくことに大きな意味がある。そこにはその人のアイデンティティと密接にからむ「物語」がある。

●一皮むけた経験リスト
・入社初期の配属
・初めての管理職
・プロジェクトチームへの参画
・ラインからスタッフ部門・業務への配属
・新規事業、新市場開発などゼロからの立ち上げ
・悲惨な部門、業務の事態改善、再構築
・昇格、昇進による権限拡大
・その他の異動、配属など

トランジション(移行期)モデル
第1段階 新しい世界に入る準備
第2段階 実際にその世界に初めて入って、いろいろ新しいことに遭遇する段階
第3段階 新しい世界に徐々にとけ込み順応していく段階
第4段階 もうこの世界は新しいとはいえないほど慣れて、落ち着いていく段階

理想的には、スパイラル状に生涯展開していくこと
人は移行期と安定期を繰り返しながら成長を続けていく


●海外勤務には、一皮むける機会がうまくビルトインされている
・日本にいるときよりもワンランク、ツーランク上の仕事になる
・現地法人の社長はエースクラスの人。その人のもとで学ぶことで大きな好影響が受けられる
・日本からきたVIPとともに行動する時間が長くなる。気づきや学びがある
・たとえ30代でも会社を代表する振る舞いが要求される
・日本人とは全く異なるものの見方や考え方から、多様な価値観への許容力と適応力が身につく
・グローバルなものの見方をする機会が多くなる。世界を視野にとらえた思考ができる
・異文化コミュニケーション能力が身につく
・異質な人材へのマネジメントができるようになる

●一皮むけるための4つのチャレンジ
・業務を遂行するための新しいスキルを身につける
・利害がらみの高い目標の業務になる。強いプレッシャーをともなう
・厳しい状況のもと、人々との戦い、時間との戦いになる
・肉体的、精神的な負担に対処する

●キャリア
キャリアとは、履歴や経歴ではない。キャリアとはアップもダウンもない。意味づけ、経験の生かし方、教訓の引きだしことが大切。
会社とは、成人が継続して、さらに発達していく場。
会社とは、仕事を通して自分を知り、自分を磨き、自分を試し、自分を高める場。

キャリアを考えるエドガー・シャインの3つの問い
1.自分は何が得意か(能力、才能の問い)
2.自分はいったい何をやりたいのか(動機、欲求の問い)
3.どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるのか

キャリアを考えるマイケル・アーサーの3つの問い
1.自分ならではの強みはどこか(know-HOWの問い)
2.自分があることをしたい時、それはなぜか(know-WHYの問い)
3.自分はこれまで誰とつながり、その関係をどのように生かしてきたか(know-WHOMの問い)