すぐれた組織の意思決定

読みました。

昨年末に読んだ「すぐれた意思決定」の続編でしょうか、印南一路さんの著書。
前書は大変読みやすかったのですが、これは学術書的な文体でやや読みづらい印象です。
前書が「個人の意思決定」、本書が「組織の意思決定」、2冊合わせて読むことで、意思決定に関する全体的な視座が得られるのではと思います。

●何にもとづいて意思決定しているのか
・2つの認知モデル。「世界モデル」と「価値モデル」

●すぐれた意思決定をするには
・「世界モデル」を改善する、より現実の本質を捉えた世界モデルを構築する
・「好み」に忠実な意思決定をする
・目的にそった意思決定をする
・すぐれた選択肢をつくる、選択肢は与えられるものではなく、つくるもの。それも複数つくる
・プロセスに留意した意思決定をする

●なぜ組織をつくるのか
・経営とは、複数人の資源/能力を結合し、共通の目標を達成する諸活動
・組織とは、共通の目的を持った人々の、意識的な分業と調整の仕組み

●分業が生産を高める理由
・仕事を限定され、その仕事を生涯の職業とすることにより、技能を向上させることができる
・分担した仕事を持続させることができる
・個々の作業を幅の狭いものにし、それぞれの動作を単純なものにする
・仕事を効率化させるための道具や機械の工夫と発明を導く
・それらの道具や機械がさらに作業を分割、単純化させ、新たな道具を生み出す原動力となる

●組織影響力
・外的プロセス。他の意思決定者から命令の形で、意思決定に直接影響を与える
・内的プロセス。

●意思決定の定型化のメリット
・スピードアップ
・行動の予測可能性、可視性を高め、意思決定の調整を効率化する
・意思決定の範囲を限定し、その範囲に精通することで、個々人の意思決定能力が向上する
・意思決定のプロセスを組織構成員に教育、訓練することが容易になる
・マニュアル、慣習として組織に残り、合理性が推進される
・余った時間を、新しい意思決定に使うことができる

●戦略的意思決定
1. 戦略的意思決定
・企業の目標達成を最適度に可能にする方法。資源の転化のプロセスを方向づけること
・企業目標の確定→内部評価→外部評価→シナジーと組織機構に関する決定→優先順位の設定→下位の意思決定
・特徴として、
 構造化されていない問題、
 手法が適応的探求、
 中長期にわたる継続的な意思決定、
 学習が難しい意思決定政治的な意思決定としての性格を帯びる
2. 管理的意思決定
3. 業務的意思決定

パーキンソンの法則
・組織の肥大化
・管理職は、競争相手よりも部下を増やしたがるもの
・管理職は、互いに仕事を作り合うもの

●今日の一枚